恐い話し  第7弾  その1

今回は、第4弾で取り上げた経時変化のことをいろいろと書いてみた・・・
様々な経時変化が、社会問題を沸き起こす、
そんな恐い話しは意外と多い。
様々なところで、それは、起こっている。  (次は7弾の2)


まずは、軽い話しから、経時変化によるトラブルの事例を挙げてみる。
最近、映像を庶民が楽しむのに、ⅤHS方式という磁気テープから、DVDと言う方式に主流が変わってきつつある。

売りは、磁気テープ方式と違い、「画像の劣化がない」とのことだった。
五年程前、売り出した当初は、この点を盛んに宣伝していた。
近頃はこの「利点」を、ほとんど宣伝してはいない。
もうこの利点が常識的に行き渡ったので、必要がなくなったのかと思ったが違った。
DVDを上市した彼らの「画像の劣化は無い」の根拠は、ただの希望的憶測だったのである。
近頃、この「利点」を信じ、発売当初から積極的に購入した保存目的のユーザーから苦情が相次いでいる。
一応言っておくが、勿論、現状では無事な物の方が圧倒的に多い。
無事でないものは、「どんな状態か?」と言うと、ひび割れ、積層(重ねてある)剥離、等が見られ、保存目的で一度も使用しないにもかかわらず、画像の再生はできなかった。

これについての、メーカーの内緒話は、「五年後のことなど、その時点では誰も見れないのはあたりまえで、嘘を付いたわけではない」、とのことだった。
つまり、予測の範囲外だったと言いたいらしい。
だが、私は劣化しないプラスチックを見たことが無い。
勿論NASA(米国宇宙局)規格の、高品質プラスチックも存在するだろうが、安価な流通品に使用できるとも思えない。
プラスチックには可塑剤が入っている。
その可塑剤が、時間の経過と伴に抜け、プラスチックを劣化させてゆくのだ。
その常識に近い事柄を、専門家を有するメーカーが考えなかったとは、いささか疑問である。
また、積層(重ね合わせ)にすると、時間の経過と伴に「そり」が発生し剥離する可能性は、あったはずだ。
今現在無事なものも、あと「何年の寿命か?」はわからないが、「画質が劣化しない」と言うのは、実質的には間違いではないだろうか?
だが、四〜五年前の宣伝は訂正されることも無く伝説として、世間に定着している。
中には、ユーザーの保存方法などを言い出す企業もあるかと聞くが、高級なカメラ収納ケースなど、持ち合わせる庶民がどれだけいるだろうか?
あと一年半くらいで、次のシステムの映像モデルが本格的に発売になり、おそらくメーカーは逃げ切るだろう。
これが、娯楽の品だからこの程度だが、人命にかかわる自動車メ−カーで、最近こんな経緯を辿って、多くの犠牲を出したところがあると、記憶している。

恐い話しである。


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    是非覗いてください。